任意整理するとクレジットカードはどうなる?利用停止・強制解約・再発行の時期まで完全解説

makieoffice債務整理コラム

任意整理クレジットカード

任意整理をするとクレジットカードはどうなるのか?
任意整理を検討している人や手続きを進めている人にとっては、大きな不安要素です。

結論を言うと、任意整理の対象にしたクレジットカードは即座に利用停止されます。
また、任意整理対象外のカードもいずれ使えなくなる可能性が高いです。

本記事では、任意整理後のクレジットカードが使えなくなる理由や、その後の引き落としについて徹底解説します。
カードが使えない期間の代替手段や完済後に作成できるおすすめカードも紹介しているので、参考にしてくださいね。

この記事でわかること
  • 任意整理するとクレジットカードは使えなくなる
  • 任意整理でクレジットカードが使えなくなる理由|社内ブラックとは?
  • 任意整理後のクレジットカード引き落としはどうなる?
  • 任意整理後にカードが残るケースと避けるべき5つの行動
  • 任意整理後、クレジットカードはいつから作れる?
  • 任意整理後でも作れるクレジットカードとは?実例を紹介!
  • 任意整理中に使えるクレジットカードの代替手段4つ
  • 任意整理とクレジットカードに関するよくある質問8つ

Table of Contents

    目次

    任意整理するとクレジットカードは使えなくなる

    任意整理を行うと、対象にしたクレジットカードは即座に利用停止されます。

    また、対象外のカードも途上与信により、いずれ使えなくなる可能性が高いです。
    家族カードやETCカードも本会員のカードに紐づいているため、連動して利用停止となります。

    まずは、任意整理後のクレジットカードの基本的な扱いと、利用停止のタイミングについて確認しましょう。

    任意整理後のクレジットカードの扱い

    • 任意整理の対象にしたクレジットカードは即日利用停止
    • 対象外のクレジットカードも使えなくなる
    • 家族カード・ETCカードも同時に使えなくなる

    任意整理の対象にしたクレジットカードは即日利用停止

    任意整理の対象カードが利用停止となるのは、カード会社が受任通知を受け取ってから即日または数日以内です。

    弁護士・司法書士が受任通知を送付後、通知を受けたカード会社は債務整理の開始を把握。
    規約により新たな貸付リスクを回避するため、直ちにカードの停止措置を取ります。

    利用停止のタイミングは郵送の到達時期にもよりますが、弁護士が受任通知を発送してから即日または数日以内。
    利用停止後は決済やキャッシングなど、すべての機能が使えなくなります。

    利用停止後に使えなくなる機能

    • 店舗での決済(実店舗でのクレジットカード払い)
    • オンライン決済(ネットショッピング、サブスクリプション)
    • ATMでのキャッシング
    • 公共料金などの引き落とし

    対象外のクレジットカードも使えなくなる

    任意整理の対象外となるクレジットカードも、途上与信により利用停止・強制解約されます。

    カード会社は通常3~6ヵ月ごと、およびカードの更新時に「途上与信(定期的な審査)」を実施します。
    この際に信用情報機関(CIC・JICC・KSC)へ照会を行い、任意整理の事実を把握するとカードを停止。
    その後、強制解約の措置を取ります。

    途上与信の頻度は会社により異なるため、稀に数ヶ月~1年ほど使える場合もありますが、あくまで一時的なものです。
    最終的には利用停止となり、強制解約となります。

    途上与信のタイミング

    • カード更新時
    • 利用限度額の増額申請時
    • 一定期間ごとの定期審査時など

    家族カード・ETCカードも同時に使えなくなる

    本会員のクレジットカードが利用停止されると、それに紐づく家族カードやETCカードも同時に使えなくなります。

    家族カードやETCカードは、本会員のクレジットカード契約に基づいて発行される追加カード。
    本会員の信用力に依存しているため、本会員が任意整理により利用停止されると追加カードも自動的に利用停止となります。

    家族が独自にクレジットカードを持ちたい場合は、家族自身の名義で新規申込みをする必要があります。

    任意整理でクレジットカードが使えなくなる理由|社内ブラックとは?

    任意整理でクレジットカードが使えなくなるのは、信用情報機関に事故情報が登録されるためです。

    クレジットカード会社や貸金業者は債務整理が発生した場合、信用情報機関に事故情報を報告。
    登録された事故情報は、他の金融機関やカード会社が審査時に参照します。

    また、カード会社は債務整理を起こした顧客の情報を「社内ブラック」として独自に保管。
    将来の審査に利用します。
    任意整理の履歴は信用情報のキズとして共有されるため、カードが使えなくなるのです。

    ここからは、任意整理でクレジットカードが使えなくなる理由と社内ブラックについて詳しく解説します。

    クレジットカードが強制解約される理由

    • 任意整理の情報が信用情報機関に5年間記録される
    • 事故情報が消えても「社内ブラック」は半永久的に残る
    • 途上与信で任意整理が発覚し強制解約される

    任意整理の情報が信用情報機関に5年間記録される

    任意整理を行うと信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に事故情報が登録され、完済後も約5年間は記録が残ります。

    任意整理の情報は金融機関やカード会社間で共有されます。
    事故情報が登録されている期間は、新規のクレジットカード発行やローン審査にほぼ通りません。
    この状態をいわゆる「ブラックリスト」と言います。

    以下は、主要な信用情報機関における任意整理情報の登録期間です。

    ■信用情報機関3社の比較

    信用情報機関 主な加盟会員 登録される情報 保存期間
    CIC(株式会社シー・アイ・シー) 主にクレジットカード会社、信販会社 「異動」情報として登録 完済日から5年間
    JICC(株式会社日本信用情報機構) 主に消費者金融、信販会社 「債務整理」情報として登録 完済日から5年間
    KSC(全国銀行個人信用情報センター) 主に銀行、信用金庫 「官報情報」として登録(任意整理は官報に載らないため直接登録されないケースが多い) 完済日から5年間(延滞として記録される場合)
    参考:CIC公式サイト、JICC公式サイト、KSC公式サイト

    完済から5年経過すると信用情報機関から事故情報が削除され、再びクレジットカードの申込みが可能になります。

    自分の信用情報は、CICやJICCへの開示請求(オンライン・郵送・窓口)で確認可能です。
    開示請求の費用は、CICの場合500円~。
    JICCは1,000円となっています。

    事故情報が消えても「社内ブラック」は半永久的に残る

    任意整理をしたカード会社やその系列会社には、社内ブラック(内部ブラック)として半永久的に記録が残ります。
    信用情報から事故情報が消えても、そのカード会社では二度とカードを作れないと思った方が良いでしょう。

    カード会社は、自社で債務整理や延滞を起こした顧客の情報を独自に記録し、将来の審査に利用します。
    これは信用情報機関とは別の、カード会社内部の管理情報です。
    法的な保存期間の制限がないため、半永久的に残ります。

    例えば、楽天カードで任意整理を行った場合。
    信用情報から事故情報が消えても、楽天カードの社内データベースには記録が残ります。

    同一グループ内の系列会社でも情報が共有され、グループ全体で審査に通りにくくなるでしょう。

    社内ブラックの特徴

    • 信用情報機関の事故情報とは異なり、カード会社独自の顧客管理システムに記録される
    • 法的な保存期間の制限がないため、半永久的に残る
    • 同一グループ内の系列会社でも情報が共有されるケースがある
    • 本人が開示請求しても確認できない(カード会社の内部情報のため)

    任意整理後にクレジットカードを作る場合は、任意整理の対象にしなかったカード会社に申込みましょう。

    途上与信で任意整理が発覚し強制解約される

    任意整理の対象外にしたカードでも、途上与信で事故情報が確認されると強制解約されます。

    カード会社は、カード発行後も定期的に会員の信用情報をチェックしており、信用情報機関に照会を行います。
    途上与信が実施される時期はカード会社によって異なりますが、一般的には以下のタイミングです。

    途上与信が実施されるタイミング

    • カード更新時
    • 利用限度額の増額申請時
    • 3~6ヶ月ごとの定期審査
    • 高額利用時や利用パターンの変化時

    途上与信で事故情報を確認すると、カード会社はカードを即時利用停止し、メールや郵送で強制解約を通知します。
    残債がある場合は一括返済を求められるため、注意しましょう。

    任意整理後のクレジットカード引き落としはどうなる?

    任意整理によりクレジットカードが利用停止されると、カード引き落としに設定していたすべての支払いも停止します。

    引き落としできない状態で放置すると、電気・ガス・水道は供給停止。
    携帯電話も利用停止・強制解約となるため、速やかに支払い方法を変更しましょう。

    ここでは引き落とし先を変更する方法と、携帯料金の分割払いへの影響について詳しく解説します。

    クレジットカード引き落とし停止後について

    • 公共料金を含むすべての引き落としが止まる
    • 引き落とし先を変更する方法
    • 携帯料金の分割払いは残債を一括請求される可能性

    公共料金を含むすべての引き落としが止まる

    クレジットカードが利用停止されると、公共料金・携帯料金・サブスクリプションサービス等の引き落としもすべて停止します。
    速やかに支払い方法を変更しましょう。

    引き落としに失敗すると、サービス提供会社から「支払い方法の変更」または「未払い料金の支払い」等の通知が届きます。

    引き落とし失敗後に起こること

    • 公共料金の場合:数ヶ月の未払いが続くと、電気・ガス・水道の供給停止措置が取られる可能性がある
    • 携帯料金の場合:1~2ヶ月の未払いで利用停止、3ヶ月程度で強制解約となるケースが多い
    • サブスクリプションサービス(Netflix、Spotify、Adobe等):決済失敗後すぐにサービス利用が停止される
    • 引き落とし失敗の通知を放置すると、遅延損害金が発生するリスクもある

    引き落とし先を変更する方法

    クレジットカード引き落としが停止されたら、速やかに支払い方法を変更しましょう。
    口座振替・コンビニ払い・銀行振込などが利用可能です。

    口座振替への変更
    公共料金(電気・ガス・水道)・NHK受信料・携帯料金などは、銀行口座からの自動引き落とし(口座振替)に変更可能です。
    変更手続きは各サービス提供会社のWebサイトやカスタマーセンター、または銀行窓口で行います。
    手続き完了まで1~2ヶ月かかるため、その間はコンビニ払い等で対応しましょう。

    コンビニ払いへの変更
    振込用紙を発行してもらい、コンビニエンスストアで支払う方法も利用可能です。
    手続きは比較的簡単で、カスタマーセンターに連絡して振込用紙の送付を依頼するだけ。
    ただし、毎月コンビニに行く手間や支払い忘れのリスクがあります。

    銀行振込(ペイジー等)
    オンラインバンキングやペイジーを利用した銀行振込も選択肢のひとつです。
    ただし、振込手数料がかかる場合があるため、口座振替のほうが経済的と言えるでしょう。

    サービス種類 対応可能な支払い方法
    電力会社 口座振替、コンビニ払い、クレジットカード(他のカード)
    携帯電話会社 口座振替、コンビニ払い、銀行振込
    サブスクリプション 口座振替、デビットカード、プリペイドカード、コンビニ払い(サービスによる)

    携帯料金の分割払いは残債を一括請求される可能性

    携帯電話本体の分割払いをクレジットカード払いにしていた場合、任意整理により残債の一括請求を求められます。

    携帯電話本体の分割払いは「割賦販売契約」です。
    そのため、カード利用停止による引き落とし不能は規約違反。
    不払いが続くと携帯会社から残債の一括返済を求められます。

    速やかに支払い方法の変更手続きをしましょう。
    支払い方法を変更せず、また一括請求にも応じない場合は以下のようなリスクがあります。

    携帯料金未払いによるリスク

    • 携帯電話の利用停止・強制解約
    • 信用情報機関(主にCIC)に「延滞」として記録される(任意整理とは別の事故情報)
    • 今後、携帯電話本体の分割購入ができなくなる

    クレジットカードの利用停止が判明したら、速やかに携帯会社に連絡し支払い方法を口座振替に変更してください。
    すでに引き落とし失敗が発生している場合は、未払い分をコンビニ払いまたは銀行振込で支払います。

    また、残債の一括請求を分割にしてもらう交渉も可能ですが、対応してもらえるかは携帯会社次第です。

    任意整理後にカードが残るケースと避けるべき5つの行動

    任意整理対象外のカードがすぐに利用停止とならないケースも稀にあります。
    しかし、最終的にはすべて利用停止・強制解約となります。

    ここからは、対象外カードが一時的に手元に残る可能性と条件を解説。
    そして、少しでも長くカードを残したい人に向けて5つの避けるべき行為を紹介します。

    対象外カードを残すための条件と注意点

    • 対象外のカードも途上与信で利用停止・強制解約になる
    • 対象外のカードが一時的に残るケース
    • 対象外カードを残すための注意点5つ|ただし効果は一時的

    対象外のカードも途上与信で利用停止・強制解約になる

    任意整理の対象外にしたクレジットカードでも、任意整理の情報が確認された時点で利用停止・強制解約となります。

    カード会社は定期的に途上与信を実施しており、信用情報機関に照会を行います。
    任意整理の事故情報が登録されていれば、カードは即座に利用停止。
    その後、強制解約となります。

    途上与信のタイミング

    • 3~6ヵ月ごとの定期審査(カード会社によって頻度は異なる)
    • カード更新時
    • 利用限度額増額時
    • 定期審査時など

    対象外のカードが一時的に残るケース

    対象外カードが残るのは、一時的かつ非常に稀なケースです。
    可能性があるのは、以下のような途上与信の頻度が低い条件を満たす場合に限ります。

    • カード更新時期が数年先
    • 利用限度額が小さい
    • 未使用または長期間利用していないカード

    ただし残せる可能性は非常に低く、仮に残せたとしても一時的です。
    いずれ途上与信で強制解約となるため、対象外カードに頼らずデビットカード等の代替手段を準備するほうが賢明でしょう。

    ケース 残せる可能性
    一時的に残るケース ・カードの有効期限が3~5年先で、更新時期が遠い
    ・利用限度額が10~30万円程度と低く設定されている
    ・過去数ヶ月~1年間ほとんど利用していない
    ・カード会社が途上与信をあまり頻繁に行わない(中小のカード会社など)
    すぐに利用停止となるケース ・カード更新時期が近い(有効期限まで1年以内)
    ・利用限度額が50万円以上と高額
    ・毎月高額な利用をしている
    ・キャッシング枠を設定している、または利用している
    ・大手カード会社で途上与信の頻度が高い

    重要な注意点

    • 対象外カードを残せたとしても、いずれ途上与信で発覚する
    • 発覚時に強制解約となり、場合によっては残債の一括返済を求められる
    • 対象外カードに頼りすぎず、代替手段(デビットカード等)の準備も並行して進めるべき

    対象外カードを残すための注意点5つ|ただし効果は一時的

    たとえ一時的であっても対象外カードを手元に残したい人は、以下のような行動を避けましょう。

    避けるべき行為

    • キャッシングの利用:キャッシング枠を利用すると、貸金業法に基づく途上与信の義務により必ず信用情報が照会される。
    • 利用限度額いっぱいまでの利用:限度額の80%以上を使うと、カード会社がリスクを感じて途上与信を実施する。
    • 高額な一括利用:普段の利用パターンと大きく異なる高額決済は、不正利用検知システムが作動し途上与信につながる。
    • 利用限度額の増額申請:増額申請は必ず途上与信が実施される。
    • リボ払いへの変更:リボ払いに変更すると、貸金業法の対象となり途上与信が実施されやすくなる。

    カード利用の中でも特に、高額利用やキャッシングは途上与信のトリガーです。
    カード会社はカードの利用状況をモニタリングしており、異常な利用パターンが検知されると途上与信を実施します。

    カードを手元に残したい場合は以下のような使い方を推奨します。

    推奨される使い方

    • 月1回程度の少額利用(1万円以下)に留める
    • 公共料金など固定費の引き落としのみに使用する
    • 一括払いのみを利用し、リボ払いや分割払いは避ける
    • キャッシング枠は絶対に利用しない

    とはいえ、「対象外カードを残そう」と考えるより「使えなくなるから代替手段を準備しよう」と考える方が現実的です。
    まずはデビットカードや後払いアプリなど、審査不要の決済方法を検討してみましょう。

    任意整理後、クレジットカードはいつから作れる?

    任意整理後、新しいクレジットカードを作れるようになるのは完済から約5年後。

    ただし、任意整理の対象にしたカード会社では作れない可能性が高いです。
    他社に申込む場合も「クレヒス」が必要になります。

    ここからは信用情報の回復期間・クレヒスの必要性・社内ブラックの影響について詳しく解説します。

    任意整理後、クレジットカードを作れる時期

    • 完済から5年でクレジットカード申込み可能に
    • 任意整理後のカード作成には「クレヒス」が必要
    • 任意整理した会社のカードは作れない

    完済から5年でクレジットカード申込み可能に

    任意整理の事故情報は完済から約5年間、信用情報機関(CIC・JICC)に登録されます。
    この期間が経過すると事故情報が削除され、クレジットカードの申込みが可能です。

    信用情報機関は、個人信用情報の取扱いに関する法律およびガイドラインに基づき、事故情報の保存期間を定めています。
    任意整理の場合は「債務整理」または「異動」として登録され、完済日から5年間保存されます。

    重要なポイント
    保存期間は「任意整理を開始した日」ではなく「完済した日」から5年間。
    例:2020年に任意整理を開始し、2023年に完済した場合、事故情報が削除されるのは2028年。
    任意整理の返済期間が3~5年の場合、実質的には任意整理開始から8~10年後にカードが作れるようになる。

    信用情報は、CICやJICCに開示請求(オンライン・郵送・窓口)をすることで確認できます。
    開示請求にかかる費用は、CICの場合500円~。
    JICCは1,000円です。

    事故情報が削除されたかを確認してからカード申込みをするのが確実ですよ。

    任意整理後のカード作成には「クレヒス」が必要

    信用情報から事故情報が消えても、すぐにクレジットカードを作るのは難しいでしょう。
    クレジットヒストリー(クレヒス)がない「スーパーホワイト」状態になるため、クレヒスを育成する必要があります。

    スーパーホワイトとは、信用情報に一切の利用履歴(クレジットカード、ローン、分割払い等)がない状態を指します。
    信用情報の履歴が無いということは、カード会社が審査で返済能力を判断する材料が無いということ。

    申込者が20代であれば「クレジットカードを使ったことがない」と判断されます。
    しかし、30代以上の場合「過去に債務整理をした可能性が高い」と疑われるため、注意しましょう。

    以下の方法でクレジットヒストリーを育成できます。

    クレヒス育成の具体的な方法

    • 携帯電話本体の分割払い:信用情報に「割賦契約」として記録され、毎月の支払い実績が積み上がる。
      ただし、任意整理中に携帯料金を滞納していた場合は審査に通らない可能性あり。
    • デポジット型クレジットカード:保証金を預けることで発行されるクレジットカード。
      審査が比較的緩く、利用実績を積むことができる。
    • 少額のショッピングローン:家電量販店などで少額(5~10万円程度)の分割払いを利用し、毎月遅れずに支払う。

    クレヒス育成に必要な期間は、最低6ヶ月~1年程度。
    良好な支払い実績があれば、クレジットカードの審査に通る可能性が出てきます。

    携帯電話分割払いを1年間遅延なく支払った後、審査の間口が広い流通系カードに申込むのがおすすめです。

    注意点

    • クレヒス育成中に支払いを1回でも遅延すると信用情報に「延滞」として記録され、逆効果になる
    • 無理に高額な分割払いをするのではなく、確実に支払える範囲でクレヒスを積み上げることが重要

    任意整理した会社のカードは作れない

    任意整理の対象にしたカード会社では、社内ブラックとして記録が残ります。
    信用情報から事故情報が消えても、そのカード会社ではカードを作れない可能性が高いため注意しましょう。

    カード会社は、債務整理を行った顧客の情報を独自のデータベースに記録しています。
    この情報は信用情報機関とは別の内部管理情報です。
    法的な制限がないため半永久的に保存されます。

    また、系列会社への申込みも避けた方がよいでしょう。
    同一グループ内で情報共有されているため、審査落ちする可能性が高いです。

    カード会社 情報共有される可能性がある会社
    三井住友カード SMBCグループ(三井住友銀行、プロミスなど)
    セゾンカード クレディセゾン(セゾン系列のカード)
    オリコカード オリコオートリース
    ジャックス ジャックス系のカード

    任意整理後にクレジットカードを作る場合は、任意整理の対象にしなかったカード会社に申し込むのが鉄則。
    大手カード会社はハードルが高いと感じる人には、審査の間口が広い流通系カードがおすすめです。

    任意整理後でも作れるクレジットカードとは?実例を紹介!

    任意整理後のクレジットカード作成には、流通系カードや消費者金融系カードがおすすめです。
    銀行系カードよりも審査の間口が広く、柔軟な審査が行われる傾向にあります。

    実際に任意整理後に作れた事例として報告されているのは以下のカードです。

    • 楽天カード
    • イオンカード
    • ACマスターカード

    ここからは、審査が比較的柔軟と言われるクレジットカードカードをご紹介。
    実際に作れた事例やおすすめのカードの選び方も解説します。

    任意整理後に審査が通りやすいクレジットカード

    • 流通系・消費者金融系カードは柔軟審査で作りやすい
    • 「任意整理後でも作れた!」実際の口コミを紹介
    • 任意整理後でも審査に通りやすいクレジットカードの選び方

    流通系・消費者金融系カードは柔軟審査で作りやすい

    流通系カードや消費者金融系カードは、銀行系カードに比べて審査が柔軟で通りやすいと言われています。

    流通系カードの目的は、より多くの顧客を獲得すること。
    そのため銀行系カードに比べて審査の間口が広い傾向があります。

    また、消費者金融系カードが審査で重視するのは過去の事故歴よりも現在の返済能力です。
    独自の審査基準を持つため、任意整理後でも審査に通る可能性があります。

    ■カード系統別の審査難易度

    カード系統 審査難易度 任意整理後の審査通過可能性
    銀行系カード
    (三井住友カード、三菱UFJカード等)
    最も厳しい 過去の信用情報を重視するため、任意整理の履歴がある場合は敬遠される。
    完済から5年経過後も審査に通りにくい。
    信販系カード
    (JCB、オリコ、ジャックス等)
    中程度 銀行系よりは緩いが、流通系よりは厳しい。
    クレヒス育成後であれば可能性あり。
    流通系カード
    (楽天カード、イオンカード、エポスカード、セゾンカード等)
    比較的通りやすい 顧客獲得を重視しており、主婦や学生でも作りやすい。
    任意整理後でも完済から5年経過し、クレヒスを育成していれば審査に通る可能性がある。
    消費者金融系カード
    (ACマスターカード等)
    独自の審査基準 過去よりも現在の収入を重視。
    パート・アルバイトでも安定収入があれば作れる可能性がある。

    任意整理後におすすめのカード

    • 楽天カード:流通系の代表格。審査に比較的通りやすく、ポイント還元率も高い。
    • イオンカード:流通系。主婦層をターゲットにしており、柔軟な審査を行う傾向。イオンでの買い物がお得。
    • エポスカード:流通系(マルイグループ)。即日発行可能で、審査も比較的通りやすい。
    • セゾンカード:流通系。柔軟審査で、即日発行可能なカードもある。
    • PayPayカード:流通系(ソフトバンクグループ)。比較的新しいカードで、審査に通りやすいとの報告あり。
    • ACマスターカード:消費者金融系(アコム)。独自の審査基準で、過去の事故よりも現在の収入を重視。最短即日発行可能。

    注意点

    • 任意整理の対象にしたカード会社およびその系列会社は避ける。
    • 審査に通りやすいと言われるカードでも、安定した収入があることが前提。
    • 複数のカードに同時申込み(多重申込み)をすると「申込みブラック」となり、審査落ちする可能性がある。

    「任意整理後でも作れた!」実際の口コミを紹介

    任意整理後に実際にクレジットカードを作れた事例を紹介します。
    共通しているのは以下のような点です。

    • 完済から5年以上経過している
    • 信用情報の開示請求をして、事故情報が削除されていることを確認している
    • 携帯電話分割払いなどでクレヒスを育成している
    • 流通系・消費者金融系カードに申し込んでいる
    • 任意整理の対象にしなかったカード会社に申し込んでいる
    • 年収が安定している(正社員、または安定したパート・アルバイト収入がある)

    任意整理後に作れた事例(Yahoo!知恵袋等の口コミから)

    40代男性
    作れたカード:楽天カード

    「任意整理完済から6年後、楽天カードの審査に通りました。携帯電話の分割払いを1年間続けてクレヒスを作ってから申し込みました。」

    30代女性
    作れたカード:イオンカード

    「任意整理から7年経過後、イオンカードが作れました。パート収入100万円程度ですが審査に通りました。」

    30代男性
    作れたカード:エポスカード

    「任意整理完済から5年半後、エポスカードに申し込んだら審査に通りました。限度額は10万円と低めですが、利用できるだけありがたいです。」

    40代男性
    作れたカード:ACマスターカード

    「任意整理完済から5年後、ACマスターカードの審査に通りました。他のカードは全滅でしたが、ACマスターは独自審査のおかげか通りました。」

    Yahoo!知恵袋や口コミサイトでは、任意整理後にクレジットカードの審査に通った体験談が報告されています。

    任意整理後でも審査に通りやすいクレジットカードの選び方

    任意整理後にクレジットカードを作る際は、審査に通りやすいと言われるカードを選びましょう。

    審査基準はカード会社によって異なり、顧客獲得を重視するカード会社ほど間口が広く審査に通りやすい傾向があります。
    また、年会費無料カードはカード会社のリスクが低いため、任意整理後でも作りやすいです。

    審査に通りやすいカードと、審査が厳しいカードの特徴を以下にまとめました。

    審査に通りやすいクレジットカードの特徴

    • 流通系カード:楽天カード・イオンカード・エポスカード・セゾンカード等。顧客獲得を重視しており、主婦や学生でも作りやすい。
    • 年会費無料:カード会社のリスクが低いため、審査に通りやすい傾向。
    • 即日発行可能:審査が自動化されており、機械的に判断される。人的な判断が入りにくく審査に通りやすい。
    • ポイント還元率が高い:顧客の利用を促進するため、柔軟な審査を行うケースがある。
    • 消費者金融系:ACマスターカード等。独自審査で現在の収入を重視。

    審査が厳しいクレジットカードの特徴

    • 銀行系カード:三井住友カード・三菱UFJカード等。審査が最も厳しい。
    • ステータスカード:ゴールドカード・プラチナカード等。審査基準が高く、過去の信用情報を重視。
    • 年会費が高額:カード会社のリスクが高いため、審査が厳しい。

    任意整理中クレジットカード代わりに使える4つの決済方法

    任意整理中や完済前で信用情報にキズが残っている期間は、クレジットカードが使えません。
    その際は、クレジットカードの代替手段を活用しましょう。

    それぞれの特徴やメリットとデメリット、おすすめのサービスを比較表とともに解説します。

    任意整理中の代替手段

    • デビットカード:審査なしで即日発行可能
    • デポジット型クレジットカード:保証金があるから審査に通りやすい
    • 家族カード:審査なしで発行可能
    • 後払いアプリ・QRコード決済:審査が柔軟&手軽で便利

    デビットカード:審査なしで即日発行可能

    デビットカード最大のメリットは、審査なしで即日発行できること。
    クレジットカードと同様に、VISAやMastercardの加盟店で利用できます。
    任意整理中の最も有力な代替手段です。

    デビットカードは、利用料金が銀行口座から即時引き落としされる仕組みとなっています。
    信用取引にあたらない決済方法のため、審査は不要です。
    そのため、信用情報に事故情報があっても発行できます。

    デビットカードのメリット

    • 審査なしで即日発行可能
    • クレジットカードと同様にオンラインショッピング、実店舗で利用可能
    • 使いすぎの心配がない(口座残高の範囲内でのみ利用可能)
    • ポイント還元があるカードもある

    デビットカードのデメリット

    • 分割払い・リボ払いができない
    • 一部のサブスクリプションサービス(Netflix、Spotify等)では利用できない場合がある
    • ガソリンスタンド、高速道路料金所など、一部の加盟店では利用できない
    • 口座残高以上の支払いはできない(急な高額支払いに対応できない)

    ■おすすめのデビットカード

    カード名 国際ブランド 年会費 ポイント還元率
    楽天銀行デビットカード Visa/Mastercard/JCB 無料 1%(楽天ポイント)
    三菱UFJ銀行デビットカード Visa 無料 0.2%(キャッシュバック)
    住信SBIネット銀行デビットカード Visa/Mastercard 無料 0.6%(ポイント)
    ソニー銀行デビットカード Visa 無料 0.5~2%(キャッシュバック)
    PayPay銀行デビットカード Visa 無料

    デポジット型クレジットカード:保証金があるから審査に通りやすい

    デポジット型クレジットカードは、保証金(デポジット)を預けることで発行されるクレジットカード。
    担保があるため審査に通りやすく、任意整理後でも作れる可能性があります。

    利用者が事前に保証金を預けることでカード会社のリスクが軽減される仕組みです。
    低リスクのため厳しい審査を行う必要がなく、信用情報にキズがあっても審査に通る可能性があります。

    デポジット型クレジットカードの仕組み
    ①申込時に保証金(デポジット)を預ける。
    ※金額はカードによって異なるが、5~10万円程度が一般的。
    ②保証金の範囲内で利用限度額が設定される。
    ③利用代金は毎月口座引き落としで支払う。
    ④カード解約時に保証金が返還される。

    メリット

    • 信用情報に事故情報があっても発行される可能性がある
    • クレジットカードと同様に利用でき、分割払いやリボ払いも可能(カードによる)
    • 利用実績を積むことで、通常のクレジットカードへの切り替えや保証金の返還が可能になる

    デメリット

    • 保証金が必要(初期費用として5~10万円程度が必要)
    • 年会費が有料のカードが多い
    • 利用限度額が保証金の範囲内に制限される
    • 審査は完全に「なし」ではなく、最低限の審査はある(任意整理完済前だと審査落ちする可能性もある)

    ■主なデポジット型クレジットカード

    カード名 デポジット金額 年会費 国際ブランド
    Nexus Card
    (ネクサスカード)
    5万円~200万円 1,375円(税込) Mastercard
    ライフカード
    (デポジット型)
    3万円/5万円/10万円 5,500円(税込) Mastercard

    家族カード:審査なしで発行可能

    家族が本会員のクレジットカードを持っていれば、審査なしで家族カードを発行できます。

    家族カードは本会員の信用力に基づいて発行されるため、家族カード会員自身の信用情報は審査されません。
    任意整理中でも、家族が本会員であれば家族カードを持つことができます。

    メリット

    • 本人の信用情報に関係なく発行される
    • クレジットカードと同様に利用でき、ポイントも本会員と合算される
    • 年会費が無料または格安のカードが多い

    デメリット

    • 本会員の信用力に依存するため、本会員が任意整理などをすると家族カードも利用停止となる
    • 利用明細が本会員に通知されるため、プライバシーが保てない
    • 利用限度額が本会員と共有のため、本会員の利用状況によっては使えないことがある
    • 家族カードの利用実績は本会員の信用情報に記録されるため、自分のクレヒス育成にはならない

    ほとんどのクレジットカードで家族カードの発行が可能ですが、年会費は本会員カードによって異なります。

    ただし、家族カードはあくまで一時的な代替手段です。
    最終的には自分名義のクレジットカードやデビットカードを持つことを目指しましょう。

    後払いアプリ・QRコード決済:審査が柔軟&手軽で便利

    後払いアプリやQRコード決済は審査が比較的柔軟なため、クレジットカードの代替手段として利用できます。

    後払いアプリは独自の審査基準を採用しており、信用情報機関への照会を行わないサービスも存在します。
    QRコード決済は、銀行口座やデビットカードと連携することで、審査なしで利用可能です。

    ■後払いアプリ・QRコード決済の比較

    サービス名 審査 利用限度額 支払い方法
    ペイディ(Paidy) 柔軟 数万円~数十万円
    (利用実績によって変動)
    翌月27日までに
    ・コンビニ払い
    ・銀行振込
    ・口座振替
    メルペイスマート払い 柔軟 数万円~数十万円
    (メルカリの利用実績によって変動)
    翌月末までに
    ・コンビニ払い
    ・銀行振込
    ・メルペイ残高払い
    バンドルカード
    (ポチっとチャージ)
    なし 最大5万円 翌月末までに
    ・コンビニ払い
    ・銀行振込
    PayPay なし(チャージ式) チャージ額による 銀行口座またはデビットカードからチャージ
    楽天ペイ なし(チャージ式) チャージ額による 楽天銀行口座またはデビットカードからチャージ
    d払い なし(チャージ式) チャージ額による 銀行口座またはデビットカードと連携

    注意点

    • 後払いアプリは便利だが、支払い遅延は絶対に避ける
    • 利用限度額が低いため、高額な支払いには対応できない
    • あくまで一時的な代替手段として利用し、完済後はクレジットカードやデビットカードへの移行を検討する

    任意整理とクレジットカードに関するよくある質問8つ

    当サイトの管理者
    牧江重徳

    社会保険労務士法人 牧江&パートナーズ
    会長 牧江 重徳(まきえ しげのり)

    【資格】
    特定社会保険労務士
    行政書士
    社会福祉士・介護福祉士・ケアマネージャー

    関西大学卒業後、約10年間の会社勤務を経て、昭和52年8月、社会保険労務士として独立しました。
    同年10月には行政書士事務所を併設。平成31年には事務所を法人化しました。

    「常にお客様と共にあり」をモットーとして、多くのお客様からご愛顧を賜り、創業50周年を迎えます。
    現在、職員60人を擁する西日本有数の社会保険労務士法人に成長しました。