早退したら給料は減る?減らないケースと計算方法を解説【2025年最新】

makieoffice社労士コラム

早退したら給料は減る?減らないケースと計算方法をわかりやすく解説【2025年最新】

「早退したら、給料はどうなるのだろう?」と不安になったことはありませんか?

体調不良や家庭の事情で、やむを得ず仕事を早退したとき。
給料は必ず減るのか、具体的にいくら減るのか、多くの労働者が気になるポイントです。

この記事では、早退した場合の給料の扱いについて解説します。
減る・減らないケースの違い、具体的な計算方法、雇用形態別の扱いまで、2025年最新情報に基づき、疑問をスッキリ解消できるようサポートします!

Table of Contents

    原則として、早退した時間分の給料は減りますが、いくつかの例外があります。以下で詳しく解説します。

    原則:給料は働いた分だけ支払われる(ノーワーク・ノーペイ)

    早退した場合、原則として働かなかった分の給料は支払われません。
    これを「ノーワーク・ノーペイの原則」と呼びます。

    ノーワーク・ノーペイの原則
    「労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない」
    労働者が労働しなかった場合、企業には賃金の支払い義務が発生しないという考え方です。
    民法第624条により、労働の対価として賃金を支払うという基本的な考え方が示されています。

    例えば、1日8時間労働の契約で2時間早退した場合。実際に働いた6時間分の賃金のみが支払われ、早退した2時間分は控除されます。

    働かなかった分の賃金を差し引くことを「勤怠控除」といいます。ノーワーク・ノーペイの原則により、早退時の給料控除は労働基準法違反ではありません。

    欠勤や遅刻をしてない場合であっても、ノーワーク・ノーペイの原則は適用されます。

    早退で給料が減らないケース3つ

    早退しても給料が減らないケースが3つあります。

    ①完全月給制の場合
    ②有給休暇を使った場合
    ③会社都合で早退した場合

    これらのケースでは、早退しても給料は満額支払われます。

    【ケース①】完全月給制の場合
    完全月給制とは、遅刻・早退・欠勤にかかわらず、固定の月給が支払われる給与体系です。
    就業規則に控除の規定がない限り、早退しても給料は減りません。

    ただし、完全月給制は非常に稀です。ほとんどの企業は後述する「日給月給制」を採用しています。

    【ケース②】有給休暇を使った場合
    早退時に半日有給休暇や時間単位有給休暇を使えば有給扱いとなり、給料は減りません。
    例えば、15時に早退する場合、15時~17時の2時間を時間単位有給として申請すれば、8時間分の給料が満額支払われます。

    【ケース③】会社都合で早退した場合
    台風や大雪などの災害、機械の故障、停電など会社側の都合で早退させられた場合、労働者には責任がないため、原則として給料は減りません。

    労働基準法第26条により、会社都合の休業時、会社は「休業手当」を支払う義務があります。
    休業手当として定められている基準は、平均賃金の60%以上ですが、実務上、多くの企業は満額(100%)を支払います。

    早退で給料が減るケース

    日給月給制・月給制(欠勤控除あり)では、自己都合の早退時に給料が減ります。
    これは、ほとんどの企業で採用されている給与体系であり、多くの労働者に該当します。

    日給月給制とは、月給として固定額が定められているものの、遅刻・早退・欠勤があった場合に、その分を控除する給与体系です。
    完全月給制とは異なり、ノーワーク・ノーペイの原則が適用されます。

    例えば、月給30万円、1日8時間労働、月の所定労働時間が160時間の場合。
    1時間早退で、30万円÷160時間×1時間=1,875円が控除され、支給額は298,125円となります。

    日給月給制は、日本の多くの企業で採用されています。
    そのため、正社員の大半がこの給与体系に該当すると考えられるでしょう。

    就業規則に「欠勤控除」「遅刻・早退控除」の規定があれば、日給月給制と判断できます。

    早退した場合の給料計算方法

    早退した場合に実際にいくら給料が減るのか、具体的な計算方法を解説します。

    基本的な計算式(月給制の場合)

    早退した場合の給料控除額の計算式は、「月給額÷月の所定労働時間×早退時間」です。

    早退控除額の計算式

    • 早退控除額 = 月給額 ÷ 月の所定労働時間 × 早退時間
    • 所定労働時間:就業規則で定められた1か月の労働時間(例:1日8時間×20日=160時間)
    • 時給換算:月給額÷月の所定労働時間

    この式を使えば、自分が何時間早退した場合にいくら給料が減るか計算できます。

    例えば、月給30万円、月の所定労働時間160時間(1日8時間×20日)の場合。
    1時間あたりの賃金は30万円÷160時間=1,875円です。
    2時間早退した場合、1,875円×2時間=3,750円が控除されます。

    この計算式は、厚生労働省や社会保険労務士が推奨する標準的な方法で、多くの企業で採用されています。

    具体的な計算例(1時間、2時間、30分早退)

    具体的な計算例を3つ示します。
    月給30万円、月の所定労働時間160時間の場合、1時間早退で1,875円。
    時間早退で3,750円、30分早退で938円が控除されます。

    【ケース1】1時間早退の場合
    月給:30万円
    月の所定労働時間:160時間(1日8時間×20日)
    時給換算:30万円÷160時間=1,875円
    早退時間:1時間
    控除額:1,875円×1時間=1,875円
    実際の支給額:30万円-1,875円=298,125円

    【ケース2】2時間早退の場合
    控除額:1,875円×2時間=3,750円
    実際の支給額:30万円-3,750円=296,250円

    【ケース3】30分早退の場合
    早退時間:0.5時間
    控除額:1,875円×0.5時間=937.5円→938円(四捨五入または切り捨て)
    実際の支給額:30万円-938円=299,062円

    これらの計算例は、自分のケースでの控除額を簡単に計算するためのものです。月給や所定労働時間が異なる場合でも、同じ計算式を使えば正確な控除額を求められます。

    早退時間 時給換算 控除額 実際の支給額
    30分 1,875円 938円 299,062円
    1時間 1,875円 1,875円 298,125円
    2時間 1,875円 3,750円 296,250円
    4時間 1,875円 7,500円 292,500円

    1分単位で計算するのが原則

    早退による給料控除は、1分単位で計算するのが原則です。
    「15分単位」「30分単位」の切り上げ控除は、労働基準法違反になる可能性があります。

    労働基準法第24条
    賃金は通貨で直接労働者に全額を支払わなければならない(全額払いの原則)

    早退時間を実際よりも多く見積もって控除すると、この全額払いの原則に違反します。

    例えば、13分早退した場合に「15分単位で切り上げて15分控除する」ことは違法です。
    正確に13分(13÷60=0.217時間)で計算しなければなりません。

    また「遅刻5回で欠勤1日扱いとする」などのケースも違法となるため、認められません。

    ただし、就業規則に「1分未満は切り捨て」などの端数処理の規定があればそれに従います。
    1分単位の端数処理(50銭未満切り捨て、50銭以上切り上げ)は一般的に認められています。

    早退時の給料の扱い【雇用形態別】

    「正社員」「派遣社員」「パート・アルバイト」「年俸制」など、雇用形態によって、早退時の給料の扱いは異なります。

    正社員(月給制・日給月給制)の場合

    正社員の多くは「日給月給制」を採用しており、早退した場合は給料が減ります。
    計算方法は「月給額÷月の所定労働時間×早退時間」です。
    完全月給制の場合のみ、給料は減りません。

    日本の多くの企業では、正社員に対して「日給月給制」を採用しています。

    例えば、月給30万円の正社員が2時間早退した場合、月の所定労働時間が160時間であれば、30万円÷160時間×2時間=3,750円が控除。
    実際の支給額は296,250円となります。

    一方、完全月給制(欠勤控除なし)の場合は、早退しても給料は減りません。

    ただし、完全月給制は非常に稀であり、ほとんどの企業は日給月給制を採用しています。
    自分の会社がどちらの給与体系を採用しているかは、就業規則で確認しましょう。
    「欠勤控除」「遅刻・早退控除」の項目から判断できます。

    派遣社員の場合

    派遣社員の場合、時給制であることが多いため、早退した時間分の給料が減ります。
    計算方法は「時給×早退時間」で、非常にシンプル。

    例えば、時給1,500円の派遣社員が2時間早退した場合、減額となるのは、1,500円×2時間=3,000円です。

    派遣先企業が勤務時間を記録し、派遣会社に報告することで、正確な給料が計算されます。

    早退時は派遣先企業と派遣会社の両方に連絡し、勤務時間の記録を正確に行いましょう。

    パート・アルバイト(時給制)の場合

    パート・アルバイトの多くは時給制を採用しており、早退した時間分の給料が減ります。
    計算方法は「時給×早退時間」で、派遣社員と同じくシンプルです。

    例えば、時給1,000円のアルバイトが1時間早退した場合、1,000円×1時間=1,000円が減額されます。

    早退する場合は、上司や店長に必ず連絡しましょう。
    タイムカードや勤務記録を正確に記入することが重要です。

    年俸制・完全月給制の場合

    年俸制や完全月給制の場合、早退しても給料は減りません。
    ただし、就業規則に明記されていれば控除される可能性はあります。

    年俸制とは?
    年間の給与総額を12か月(または14か月、16か月など)で分割して支払う給与体系。

    完全月給制とは?
    遅刻・早退・欠勤にかかわらず、固定の月給が支払われる給与体系。

    これらの給与体系では、給与額が事前に固定されています。
    そのため、早退による控除は原則として行われません。

    ただし、就業規則に「早退・欠勤の場合は控除する」と明記されていれば、控除可能です。

    例えば、年俸600万円(月50万円)の社員が2時間早退した場合、就業規則に控除の規定がなければ、50万円が満額支払われます。

    一方、就業規則に控除の規定がある場合、月給制と同様の計算方法(50万円÷月の所定労働時間×2時間)で控除額が算出されます。

    年俸制や完全月給制の社員は、自社の就業規則を必ず確認することが重要です。

    早退時に給料が減る・減らないケースを5つ紹介

    早退の理由によっては、給料の扱いが変わることも。
    ここからは、早退時に給料が減るケース・減らないケースを5つ解説します。

    体調不良で早退した場合

    体調不良で早退した場合、給料は減ります。

    体調不良は労働者側の事情。
    自己都合の早退となるため、ノーワーク・ノーペイの原則により給料が控除されます。

    例えば、月給30万円の社員が体調不良で午後から早退(4時間)した場合、月の所定労働時間が160時間であれば、30万円÷160時間×4時間=7,500円の減額。

    ただし、有給休暇や時間単位有給休暇を使えば給料は減りません。
    事前または事後に、有給休暇の申請ができるか会社に確認しておきましょう。

    会社都合で早退した場合

    会社都合で早退した場合、原則として給料は減りません。
    労働基準法第26条により、会社は休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務があります。

    会社都合の早退とは会社側の事情で労働者を早退させる場合を指します。例えば以下のような事例が当てはまります。

    • 機械の故障
    • 停電
    • 原材料の不足
    • 会社の経営判断など

    会社の機械故障で午後から早退(4時間)させられた場合、4時間分の平均賃金の60%以上が休業手当として支払われます。

    実務上、多くの企業は早退時間分の給料を満額支払います(100%支払い)。

    会社都合で早退させられた場合は、必ず給料明細を確認しましょう。
    適切に支払われているかチェックすることが重要です。

    家庭の事情(子どもの発熱など)で早退した場合

    子どもの発熱などの家庭の事情で早退した場合、自己都合として扱われ、給料は減ります。

    子どもの発熱、家族の介護、私用など、家庭の事情による早退は、労働者側の事情です。
    会社側の責任ではないため、自己都合の早退として扱われます。

    この場合、ノーワーク・ノーペイの原則により早退した時間分の給料は控除されますが…
    以下の制度を活用すれば、給料の減額を防ぐことが可能です。

    ①有給休暇(半日有給・時間単位有給):
    有給休暇を使えば、早退した時間分も有給として扱われ、給料は満額支払われます。

    ②子の看護休暇:
    対象となるのは、小学3年生修了までの子どもを養育する労働者。
    1年度に5日(子どもが2人以上の場合は10日)の「子の看護休暇」を取得できます。
    (育児・介護休業法)

    看護休暇は時間単位で取得可能であり、子どもの発熱などで早退する場合に利用できます。
    ただし、看護休暇は無給でも違法ではない点に注意しましょう。有給か無給かは、会社の就業規則によります。

    台風・雪などの災害で早退した場合

    台風や雪などの災害で早退した場合。
    会社の指示で早退したなら給料は減らず、自己判断で早退したなら給料は減ります。

    ①会社の指示で早退した場合:
    会社が「台風が接近しているので早退してください」と指示した場合、会社都合の早退です。

    労働基準法第26条により、会社は休業手当(平均賃金の60%以上)を支払う義務があります。
    実務上、多くの企業は満額(100%)支払います。

    ②自己判断で早退した場合:
    労働者が自己判断で「台風が心配なので早退します」と早退した場合、自己都合の早退です。
    ノーワーク・ノーペイの原則により、早退した時間分の給料は控除されます。

    ただし、有給休暇を使えば給料は減りません。

    台風や大雪で早退する場合は、会社の指示があったかどうかを明確にしましょう。
    必要であれば有給休暇の申請を行うことが重要です。

    無断早退の場合

    無断早退は通常の早退控除に加えて、懲戒処分(減給処分など)となる可能性があります。
    給料が大幅に減るだけでなく、解雇のリスクもあるため、絶対にやめましょう。

    無断早退とは、上司や会社に連絡せずに勝手に早退すること。無断早退は、就業規則違反であり、懲戒処分の対象となります。
    給料面では、以下の2つの控除が発生する可能性があります。

    ①通常の早退控除:
    ノーワーク・ノーペイの原則により、早退した時間分の給料が控除されます。

    ②懲戒処分による減給:
    就業規則に基づき、懲戒処分として減給が科される場合がありますが…
    労働基準法第91条により、減給の制裁は制限されています。

    労働基準法第91条
    「1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」

    無断早退を繰り返すと、懲戒解雇となるリスクもあります。やむを得ず早退する場合は必ず上司や会社に連絡することが重要です。

    早退時に有給休暇を使う方法

    早退時に有給休暇を使う方法を解説します。
    半日有給や時間単位有給を活用すれば、早退しても給料は減りません。
    ぜひ参考にしてください。

    半日有給・時間単位有給の活用

    早退時に半日有給休暇や時間単位有給休暇を使えば、給料は減りません。
    有給休暇は、早退による給料の減額を防ぐ最も有効な方法です。

    有給休暇とは?
    一定期間勤続した労働者に対して、毎年一定日数の休暇を有給(給料が支払われる状態)で与える制度。

    有給休暇は、1日単位で取得するのが原則ですが、以下の方法で早退時にも活用できます。

    ①半日有給休暇:
    午前または午後の半日単位で有給休暇を取得する制度です。

    例えば、午後から早退する場合、午後を半日有給として申請すれば、1日分の給料が満額支払われます。

    半日有給は法律で義務づけられていませんが、多くの企業が就業規則で認めています。

    ②時間単位有給休暇:
    1時間単位で有給休暇を取得する制度です。
    労使協定を締結すれば、年5日を限度として時間単位で有給休暇を取得できます。
    (労働基準法第39条第4項)

    例えば、2時間早退する場合、2時間分を時間単位有給として申請すれば給料は減りません。

    ただし、有給休暇を活用する場合は、事前または事後に申請が必要です。
    体調不良などで事前申請が難しい場合は、事後申請が可能か会社に確認しましょう。

    有給を使えば給料は減らない

    有給休暇を使えば、早退しても給料は減りません。
    有給休暇は「有給」の名の通り、休暇を取得しても給料が支払われる制度。
    有給休暇を取得した日(または時間)は、通常勤務として扱われ、給料が支払われます。

    例えば、月給30万円の社員が2時間早退し、その2時間を時間単位有給として申請した場合、2時間分の給料は控除されず、30万円が満額支払われます。

    有給休暇の給料の支払い方法は、以下の3つです。

    • ①通常の賃金:通常の勤務日と同じ金額を支払う方法(最も一般的)
    • ②平均賃金:過去3か月の賃金の平均額を支払う方法
    • ③標準報酬日額:健康保険の標準報酬月額を30で割った額を支払う方法(労使協定が必要)

    ほとんどの企業は「①通常の賃金」を採用しています。

    会社に時間単位有給がない場合の対処法

    時間単位有給がない場合、半日有給を使うか欠勤控除を受け入れるしかありません。ただし、時間単位有給の導入を会社に提案することは可能です。

    時間単位有給休暇は、労使協定を締結すれば導入できる制度。しかし、すべての会社が導入しているわけではありません。

    会社に時間単位有給がない場合、以下の方法で対処しましょう。

    ①半日有給を使う:
    午前または午後の半日単位で有給を使えば、少なくとも半日分の給料は確保できます。
    ただし、数時間の早退で半日有給を使うと「有給の無駄遣い」になる可能性があります。

    ②欠勤控除を受け入れる:
    有給を使わずに早退し、早退時間分の給料が控除されることを受け入れます。

    ③時間単位有給の導入を提案する:
    労働基準法により、労使協定を締結すれば時間単位有給を導入できます。
    会社の人事部門や労働組合に、時間単位有給の導入を提案することも可能です。

    時間単位有給はワークライフバランスの向上や、柔軟な働き方の実現に役立つ制度です。
    そのため、多くの企業で導入が進んでいます。

    早退の給料についてよくある質問6つ

    早退時の給料について、よくある質問を6つ紹介します。
    当サイトの管理者
    牧江重徳

    社会保険労務士法人 牧江&パートナーズ
    会長 牧江 重徳(まきえ しげのり)

    【資格】
    特定社会保険労務士
    行政書士
    社会福祉士・介護福祉士・ケアマネージャー

    関西大学卒業後、約10年間の会社勤務を経て、昭和52年8月、社会保険労務士として独立しました。
    同年10月には行政書士事務所を併設。平成31年には事務所を法人化しました。

    「常にお客様と共にあり」をモットーとして、多くのお客様からご愛顧を賜り、創業50周年を迎えます。
    現在、職員60人を擁する西日本有数の社会保険労務士法人に成長しました。

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