入籍したら会社への手続きは何が必要?期限・必要書類まとめ

makieoffice社労士コラム

入籍したら会社への手続きは何が必要?期限・必要書類まとめ

入籍後は会社への届出が必要ですが、何をいつまでにすればよいか分からない方も多いでしょう。
届出が遅れると保険証が使えなくなったり、年末調整で損をしたりする可能性があります。

本記事では、入籍後に会社で必要な手続きを徹底解説。
女性・男性それぞれの注意点、扶養や社会保険の手続き、必要書類まで網羅的にまとめました。
ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること
  • 入籍後に会社で必要な手続きの全体像と優先順位
  • 届出の期限と遅れた場合の対処法
  • 女性・男性それぞれが行う手続きの違い
  • 配偶者を扶養に入れる場合の条件と手続き
  • 年末調整・社会保険への影響と注意点
  • 必要書類の一覧と準備方法

Table of Contents

    入籍後に会社で必要な手続き一覧【届出の全体像】

    入籍後に会社で必要な手続きは複数あり、優先順位を把握しておくことが重要です。
    最初に身上異動届を提出。
    その後、氏名変更や住所変更、通勤届、給与口座変更など各種届出を進めていきます。

    以下の表は入籍後に会社で必要な主な手続きをまとめたものです。

    手続き 届出先 必要書類 備考
    身上異動届(結婚届) 人事・総務部門 会社指定の届出書 すべての手続きの起点
    氏名・住所変更届 人事・総務部門 住民票(新姓記載) 苗字・住所が変わる場合
    通勤届 人事・総務部門 会社指定の届出書 住所変更に伴い経路が変わる場合
    給与口座変更届 人事・総務部門 新しい口座情報 銀行での名義変更後に提出
    扶養控除等申告書 人事・総務部門 会社指定の届出書 配偶者の有無を変更
    健康保険被扶養者届 人事・総務部門 配偶者の収入証明等 配偶者を扶養に入れる場合

    身上異動届(結婚届)の提出

    入籍したら最初に身上異動届(社内の結婚届)を人事・総務部門に提出します。
    身上異動届は他のすべての手続きの起点。
    これを元に人事部門が社会保険・税務関連の各種変更処理を開始します。

    身上異動届を提出することで、結婚祝い金や慶弔休暇の申請も可能になります。
    届出書式は会社によって異なるため、入籍前に人事部門へ確認しておくとスムーズです。

    氏名・住所変更届の提出

    苗字や住所が変わる場合は、氏名・住所変更届を提出します。
    2018年3月からマイナンバーと基礎年金番号が紐付いている場合、年金機構への氏名変更届・住所変更届の提出は原則不要になりました。

    ただし、健康保険組合に加入している場合は別途届出が必要な場合があります。
    会社の人事部門に届出を提出すれば、各種書類に正確な情報が反映されます。

    各種書類の例
    • 社会保険
    • 雇用保険
    • 給与明細
    • 源泉徴収票

    通勤経路・交通費の届出変更

    住所変更に伴い通勤経路が変わる場合は、通勤届(通勤経路変更届)を提出します。
    通勤手当の不正受給を防ぎ、適正な交通費を受け取るためにも届出が必要です。

    通勤災害(労災)の認定にも通勤届が影響するため、正確な届出は重要となっています。
    届出を怠ると不正受給とみなされるリスクも。
    住所変更後は速やかに届出を行いましょう。

    給与振込口座の変更届

    銀行口座の名義変更を行った後、会社に給与振込口座変更届を提出します。
    口座名義と届出名義が一致しないと給与振込が失敗する可能性もゼロではありません。
    銀行での名義変更手続きが完了してから会社へ届出をしましょう。

    銀行での名義変更には新しい氏名が記載された本人確認書類が必要です。
    キャッシュカードの名義変更も忘れずに行いましょう。

    入籍後の会社手続きのポイント
    • 身上異動届を最初に提出し、他の手続きにつなげる
    • マイナンバー連携済みなら年金機構への届出は原則不要
    • 通勤届は労災にも関わるため正確に届出する
    • 給与口座変更は銀行での名義変更後に行う

    入籍後の会社手続きはいつまでに行う?届出の期限と流れ

    入籍後の会社手続きには明確な法的期限はありません。
    しかし、多くの会社では就業規則で届出期限を定めています。

    届出が遅れると保険証の使用や年末調整に影響が出る可能性もあります。
    速やかに手続きを進めることが重要です。

    この章のポイント
    • 一般的な届出期限は入籍後2週間以内
    • 届出が遅れた場合のリスクと対処法
    • 入籍前と入籍後どちらで報告すべきか

    一般的な届出期限は入籍後2週間以内

    多くの会社では入籍後2週間以内の届出を就業規則で定めています。
    ただし、具体的な期限は会社によって異なるため、人事部門に確認するのが安全です。

    社会保険や税務上の手続きを円滑に進めるためには、早めの届出が推奨されます。
    しかし、役所での住民票取得等の手続きに時間がかかる場合もありますよね。
    そのため、2週間程度の猶予を設けている会社が多いです。

    年末調整の時期に近い場合は特に早めの届出が重要です。

    届出が遅れた場合のリスクと対処法

    届出が遅れても法的な罰則はありません。
    しかし保険証が使えない、年末調整で控除が受けられないなどの不利益が生じる可能性があります。
    氏名変更が反映されないと、旧姓の保険証では医療機関で使用できない場合もあるんです。

    また、年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除の申告が遅れると、確定申告での還付手続きが必要になります。
    届出が遅れた場合でも、速やかに人事部門に連絡して手続きを進めることが重要です。

    届出が遅れた場合の影響
    • 旧姓の保険証が使用できなくなる可能性
    • 年末調整で配偶者控除が受けられない
    • 給与明細や源泉徴収票の氏名が旧姓のまま
    • 通勤手当の過不足が発生する可能性

    入籍前と入籍後どちらで報告すべきか

    正式な届出は入籍後ですが、上司への報告は入籍の1〜3ヶ月前に行うのがマナーです。
    入籍前に報告することで、結婚休暇(慶弔休暇)の取得や業務調整もスムーズになります。

    結婚式を挙げる場合は招待の関係もあり、早めの報告が望ましいでしょう。
    書類上の届出は入籍日以降でないと受理されないため、入籍後に正式手続きを行います。

    入籍後の会社手続き【女性が行う手続き】

    入籍後に女性が行う会社手続きは、苗字が変わる場合は氏名変更。
    それに伴う保険証・年金の手続きが中心になります。
    旧姓を使い続ける場合の届出方法や、結婚を機に退職する場合の手続きについても解説します。

    女性が行う入籍後の手続き
    • 氏名変更に伴う保険証・年金の手続き
    • 旧姓を使い続ける場合の届出
    • 退職する場合に必要な手続き

    氏名変更に伴う保険証・年金の手続き

    氏名変更届を会社に提出すれば、会社が社会保険・厚生年金の変更手続きを代行してくれます。
    会社員の場合、社会保険関連の届出は事業主(会社)が行うのが義務です。

    マイナンバーと基礎年金番号が紐付いている場合、日本年金機構への届出は原則不要。
    ただし、健康保険組合に加入している場合は組合への届出が別途必要な場合があります。
    マイナンバーに新しい情報が紐づくのは、約1〜2週間後となっています。

    旧姓を使い続ける場合の届出

    職場で旧姓を使用したい場合は、住民票に旧姓を併記し、会社の人事部門に旧姓使用の届出を行ってください。
    2019年11月5日から住民票・マイナンバーカードに旧姓(旧氏)を併記できる制度が開始しています。

    旧姓併記により、契約や身分証明など様々な場面で旧姓を公的に使用できるようになりました。
    会社によっては旧姓使用規定がある場合があり、事前に確認が必要です。

    旧姓併記制度のポイント
    • 2019年11月5日施行の住民基本台帳法施行令改正により開始
    • 住民票・マイナンバーカードに旧姓を併記可能
    • 市区町村の窓口で手続き可能
    • 戸籍に旧姓が記載されている必要がある

    退職する場合に必要な手続き

    結婚を機に退職する場合は、退職届と合わせて身上異動届を提出。
    退職後の社会保険の切り替え手続きを確認します。

    退職後の社会保険は下記の2パターンから選びます。

    退職後の社会保険について
    • 配偶者の扶養に入る(健康保険の被扶養者・国民年金第3号)
    • 国民健康保険・国民年金に加入するか

    退職日から14日以内に、市区町村での手続きが必要な場合があります。
    失業保険(雇用保険の基本手当)を受給する場合は、扶養に入れない場合があるため注意が必要です。

    入籍後の会社手続き【男性が行う手続き】

    入籍後に男性が行う会社手続きは、苗字が変わらない場合でも必要なものがあります。
    配偶者を扶養に入れる場合の手続きや、共働きの場合に必要な届出について解説します。

    男性が行う入籍後の手続き
    • 苗字が変わらない場合でも必要な届出
    • 配偶者を扶養に入れる場合の手続き
    • 共働きの場合に男性が行う手続き

    苗字が変わらない場合でも必要な届出

    苗字が変わらなくても、身上異動届と扶養控除等(異動)申告書の提出が必要です。
    配偶者の有無は年末調整での配偶者控除・配偶者特別控除に影響します。

    緊急連絡先の変更や家族手当の申請にも身上異動届が必要。
    住所が変わる場合は住所変更届・通勤届の提出も必要となります。

    配偶者を扶養に入れる場合の手続き

    配偶者の年収が130万円未満(社会保険)、123万円以下または201万円未満(税金)の場合、扶養に入れる手続きを行います。
    社会保険(健康保険・年金)の扶養と税金上の扶養は条件が異なるため、両方の確認が必要です。

    社会保険の被扶養者になると健康保険料・年金保険料の負担がなくなります。
    税金上は、配偶者の年収に応じて配偶者控除または配偶者特別控除が受けられます。

    共働きの場合に男性が行う手続き

    共働きの場合でも、身上異動届と扶養控除等申告書の「配偶者の有無」欄の変更が必要です。
    共働きでも、配偶者の年収が201万円未満であれば配偶者特別控除が受けられる可能性があります。

    ただし、報告しないと年末調整で適切な控除が受けられず、確定申告が必要になります。
    緊急連絡先の変更など、税金以外の届出も忘れずに行いましょう。

    男性の入籍後のポイント
    • 苗字が変わらなくても身上異動届は必須
    • 扶養控除等申告書の「配偶者の有無」欄を変更
    • 共働きでも配偶者特別控除が受けられる場合がある
    • 緊急連絡先の変更も忘れず

    入籍で配偶者を扶養に入れる場合の会社手続き

    配偶者を扶養に入れる場合は、社会保険と税金で異なる条件を満たす必要があります。
    ここからは、健康保険被扶養者届と国民年金第3号被保険者届の提出方法について詳しく解説していきます。

    男性が行う入籍後の手続き
    • 扶養に入れる条件と判断基準
    • 健康保険被扶養者届の提出方法
    • 国民年金第3号被保険者届の手続

    扶養に入れる条件と判断基準

    社会保険の扶養は年収130万円未満。
    税金の扶養は123万円以下(配偶者控除)または201万円未満(配偶者特別控除)が基準です。
    それぞれの条件を詳しく見ていきましょう。

    扶養の種類 年収条件 その他の条件
    社会保険(健康保険・年金) 130万円未満 被保険者の収入の2分の1未満
    税金(配偶者控除) 123万円以下 納税者本人の所得1,000万円以下
    税金(配偶者特別控除) 123万円超〜201万円未満 納税者本人の所得1,000万円以下

    60歳以上または障害者の場合、社会保険の扶養要件が年収180万円未満に緩和されます。
    また、税金上の配偶者控除は配偶者の合計所得金額58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)が条件です。

    健康保険被扶養者届の提出方法

    健康保険被扶養者(異動)届を会社の人事・総務部門に提出しましょう。
    会社が年金事務所や健康保険組合に届け出るため、個人で直接届出することはできません。

    届出には配偶者の収入証明(源泉徴収票、課税証明書等)が必要な場合があります。
    届出後、新しい保険証が発行されるまでには1〜2週間程度かかります。

    国民年金第3号被保険者届の手続き

    配偶者が会社員・公務員(第2号被保険者)の場合、健康保険の被扶養者届と国民年金第3号被保険者届は同時に提出します。
    用紙が一体になっている場合が多いので安心してください。

    第3号被保険者になると国民年金保険料の自己負担がなくなります。
    届出は配偶者の勤務先を通じて行い、個人で年金事務所に届け出る必要はありません。

    入籍後の会社手続きと年末調整・社会保険への影響

    入籍は年末調整や社会保険にも大きな影響があります。
    ここからは下記内容について解説していきます。

    年末調整・社会保険の影響
    • 年末調整での配偶者控除・扶養控除の申請
    • 社会保険の氏名変更手続き
    • 報告しないと年末調査はどうなるのか

    年末調整での配偶者控除・扶養控除の申請

    配偶者控除(最大38万円)や配偶者特別控除(最大38万円)を受けるためには、年末調整または確定申告での申告が必要です。
    提出するものは下記2点となります。

    • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
    • 給与所得者の配偶者控除等申告書

    扶養控除等申告書は「配偶者の有無」欄を変更し、配偶者控除等申告書には配偶者の収入を記載。
    配偶者控除または配偶者特別控除の判定を行います。
    年末調整の書類提出期限は通常11月〜12月頃(会社により異なる)です。

    社会保険の氏名変更手続き

    マイナンバーと基礎年金番号が紐付いていれば、日本年金機構への届出は原則不要です。
    日本年金機構がマイナンバーを活用して地方公共団体システム機構(J-LIS)に照会。

    自動的に情報が更新されます。
    ただしマイナンバーと基礎年金番号が紐付いていない場合や、健康保険組合加入者は届出が必要です。

    報告しないと年末調整はどうなる?

    報告しないと配偶者控除・配偶者特別控除が受けられず、税金を多く払う可能性があります。
    配偶者控除38万円の場合、所得税率10%なら年間約3.8万円。
    住民税と合わせると約7万円程度の負担増になる可能性があります。

    翌年の確定申告(3月15日まで)で還付申告すれば払いすぎた税金は戻ってきます。
    ただし手続きの手間がかかるため、年末調整で適切に申告することがおすすめです。

    報告しない場合の税金への影響
    • 配偶者控除・配偶者特別控除が適用されない
    • 所得税・住民税が控除分だけ高くなる
    • 確定申告で還付を受けることは可能
    • 確定申告の手間と時間がかかる

    入籍後の会社手続きに必要な書類一覧

    入籍後の会社手続きで必要になる書類は下記です。
    ここからは、住民票や戸籍謄本などの公的書類、婚姻届受理証明書の活用方法、会社独自の届出書類について見ていきましょう。

    書類名 取得場所 用途 備考
    住民票 市区町村役場・コンビニ 氏名・住所変更の証明 新姓・新住所記載のもの
    戸籍謄本 本籍地の役所 婚姻の正式な証明 発行に時間がかかる場合あり
    婚姻届受理証明書 婚姻届提出先の役所 住民票発行前の証明 手数料350円
    身上異動届 会社 結婚の届出 会社指定の書式
    扶養控除等申告書 会社 税務上の届出 年末調整時に提出
    入社後の手続きに必要な書類について
    • 住民票・戸籍謄本などの公的書類
    • 婚姻届受理証明書の活用方法
    • 会社独自の届出書類

    住民票・戸籍謄本などの公的書類

    多くの会社では住民票(新姓・新住所が記載されたもの)の提出を求められます。
    戸籍謄本は婚姻の事実を証明する正式な書類。
    しかし、発行に時間がかかる場合があります(本籍地の役所でのみ取得可能)。

    マイナンバーカードがあればコンビニで住民票の取得が可能。
    ただし婚姻届提出後、反映まで数日かかる場合があります。

    婚姻届受理証明書の活用方法

    住民票の発行が間に合わない場合、婚姻届受理証明書で入籍を証明できる場合があります。
    婚姻届受理証明書は婚姻届の提出と同時に、役所の窓口で取得可能です(手数料350円)。

    住民票に婚姻情報が反映されるまでには数日かかるため、急ぎの場合に有効でしょう。
    会社によっては婚姻届受理証明書を住民票の代わりとして受け付けてくれる場合があります。

    会社独自の届出書類

    身上異動届、扶養控除等申告書、通勤届など会社指定の書類を人事・総務部門に確認して取得します。
    各社で必要書類の名称や様式が異なるため、必ず人事・総務部門に確認が必要です。

    社内イントラネットや人事システムからダウンロードできる場合も多々。
    主な届出書類は、下記となります。

    会社独自の届出書類例
    • 身上異動届(結婚届)
    • 氏名・住所変更届
    • 通勤届
    • 給与振込口座変更届
    • 扶養控除等申告書
    • 健康保険被扶養者届

    入籍後の会社手続きに関するよくある質問

    入籍後の会社手続きに関するよくある質問をFAQ形式でまとめました。
    ※本記事の情報は2026年1月時点のものです。制度や条件は変更される場合がありますので、最新情報は各機関の公式サイトをご確認ください。
    当サイトの管理者
    牧江重徳

    社会保険労務士法人 牧江&パートナーズ
    会長 牧江 重徳(まきえ しげのり)

    【資格】
    特定社会保険労務士
    行政書士
    社会福祉士・介護福祉士・ケアマネージャー

    関西大学卒業後、約10年間の会社勤務を経て、昭和52年8月、社会保険労務士として独立しました。
    同年10月には行政書士事務所を併設。平成31年には事務所を法人化しました。

    「常にお客様と共にあり」をモットーとして、多くのお客様からご愛顧を賜り、創業50周年を迎えます。
    現在、職員60人を擁する西日本有数の社会保険労務士法人に成長しました。

    Image