就労形態とは何か?初心者でもわかる基礎知識

makieoffice社労士コラム

就労形態とは何か?初心者でもわかる基礎知識

「就労形態」や「雇用形態」が具体的に何を指すのか、正確に理解している人は意外と少ないでしょう。

本記事では、2026年1月時点の最新情報をもとに、就労形態の基本的な定義を解説します。
雇用・就業・勤務形態の違いや特徴、履歴書での書き方、労働基準法のルールまでわかりやすくまとめました。

また、雇用形態ごとのメリット・デメリットも紹介しています。
就職・転職や働き方の見直しを考えている人は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 就労形態と雇用形態・就業形態・勤務形態の違い
  • 正社員・契約社員・パート・派遣・請負など雇用形態の種類と特徴
  • 派遣と請負の違いとメリット・デメリット
  • 履歴書やハローワークでの雇用形態の書き方
  • 4週4休などの労働基準法のルール

Table of Contents

    就労形態とは、労働者がどのような契約形態・雇用条件で働いているかを示す用語です。
    求人票や履歴書でよく目にする言葉ですが、「雇用形態」「就業形態」「勤務形態」等の用語と混同されやすい特徴があります。

    まずは就労形態の基本的な意味と、これらの類似用語との違いを明確に理解しましょう。

    就労形態の基本ポイント
    • 就労形態の意味と使われる場面
    • 雇用形態・就業形態・勤務形態との違い

    就労形態の意味と使われる場面

    就労形態とは、労働者と使用者(会社)との契約関係のあり方を示す用語です。
    「就労形態」と「雇用形態」に法律上の明確な定義はなく、ほぼ同じ意味で使われます。

    民法623条の「雇用契約」を基礎として、正社員・契約社員・パートなど様々な呼称があり、
    厚生労働省は雇用形態を大きく「正規雇用」と「非正規雇用」の2つに分類しています。

    正規雇用は雇用期間の定めがなくフルタイムで働く労働者。
    非正規雇用は契約社員・パート・派遣社員などの有期雇用や短時間労働者を指します。

    企業の求人票やハローワークでは「雇用形態」という欄で正社員・契約社員・パートなどを区分しています。
    就職・転職活動において非常に重要な項目です。

    雇用形態・就業形態・勤務形態との違い

    就労形態・雇用形態は「契約の種類」、就業形態は「働いている状態」、勤務形態は「働く時間・場所のパターン」を指します。
    それぞれ異なる概念です。

    この4つの用語は混同されやすいですが、以下のように整理できます。

    ■就労形態・雇用形態・就業形態・勤務形態の違い

    用語 意味 具体例
    就労形態・雇用形態 契約の種類(どのような契約で働くか) 正社員、契約社員、パート、派遣社員など
    就業形態 働いている状態・働き方の実態 厚生労働省調査での分類(正社員、出向社員、派遣労働者など)
    勤務形態 働く時間・場所のパターン 固定時間制、フレックスタイム制、テレワーク、変形労働時間制など

    「雇用形態」は正社員・契約社員・パートなど契約の種類を指します。
    「就業形態」は厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」で使われ、「働いている状態」を分類するものです。
    「勤務形態」はフレックスタイム制・テレワークなど「どのように働くか」という時間や場所のパターンを指します。

    求人票を見るときは「雇用形態」で契約の種類を確認し、「勤務形態」で働き方のスタイルを確認するとよいでしょう。

    就労形態(雇用形態)の種類と特徴

    主な就労形態(雇用形態)には、正社員・契約社員・パート・アルバイト・派遣社員・請負・業務委託があります。
    それぞれの特徴を理解することで、自分に合った働き方を選択できるでしょう。

    就労形態(雇用形態)の種類
    • 正社員
    • 契約社員
    • パート・アルバイト
    • 派遣社員
    • 請負・業務委託

    正社員

    正社員は雇用期間の定めがなく、フルタイムで直接雇用される最も安定した雇用形態です。
    社会保険や福利厚生が充実している一方、転勤や残業の可能性があります。

    正社員の特徴として、「期間の定めがない」「フルタイム」「直接雇用」の3条件を満たす点が挙げられます。
    社会保険(健康保険・厚生年金)に必ず加入し、退職金制度や各種手当が適用されることが多いです。

    一方で、会社の都合による異動・転勤、残業や休日出勤の可能性がある点には注意してください。
    長期的なキャリア形成を考える人には最も適した雇用形態といえるでしょう。

    なお、「常用雇用」という用語は期間の定めがない雇用を指します。
    一般的に正社員が該当しますが、一定の要件を満たす契約社員、派遣社員、パート・アルバイトも含まれる場合があります。

    契約社員

    契約社員は雇用期間に定めのある有期雇用契約です。
    1年や3年など、期間を定めた雇用契約を結びます。

    契約更新の不安がありますが、5年を超えて更新されると無期転換の申込みが可能です。(労働契約法18条)
    この権利を行使することで、有期契約から無期契約に転換できます。

    専門的なスキルを活かしたプロジェクト単位の仕事に適しており、正社員と比べて採用のハードルが低い点がメリットです。

    契約社員の無期転換ルール

    • 有期労働契約が通算5年を超えたときに申込権が発生
    • 労働者の申込みにより無期労働契約に転換される
    • 会社は申込みを拒否できない

    パート・アルバイト

    パート・アルバイトは1週間の所定労働時間が正社員より短い「短時間労働者」です。
    時間の融通が利く一方、収入や待遇面で正社員との差があります。

    パートタイム・有期雇用労働法では「1週間の所定労働時間が通常の労働者より短い労働者」と定義されています。
    一般的に主婦がパート、学生がアルバイトと呼ばれますが、法律上の区別はありません。

    一定の条件を満たせば社会保険に加入することも可能です。
    また、2020年4月施行のパートタイム・有期雇用労働法により、正社員との不合理な待遇差は禁止されています。

    派遣社員

    派遣社員は派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、派遣先企業の指揮命令を受けて働く三者間の関係で成り立ちます。
    雇用主は派遣会社です。
    社会保険や有給休暇は、派遣会社から付与されます。

    様々な職場を経験できますが、同一の組織単位での派遣期間は原則3年が上限です。(労働者派遣法)
    3年を超えて同じ職場で働きたい場合は、派遣先に直接雇用されるか、無期雇用派遣に転換するなどの対応が必要になります。

    請負・業務委託

    請負・業務委託は雇用契約ではなく、成果物の納品や業務の遂行に対して報酬を得る契約形態です。
    自由度が高い一方、労働基準法などの保護を受けられません。

    請負は「労働の結果としての仕事の完成」を目的とし、発注者との間に指揮命令関係がありません。
    雇用契約ではないため、労働基準法や社会保険の適用対象外となります。

    フリーランスや個人事業主がこの形態で働くことが多く、働く時間や場所の自由度が高いというメリットがあります。
    一方で、収入が不安定になりやすく、確定申告が必要になるといった点には注意が必要です。

    ■主な雇用形態の比較

    雇用形態 雇用期間 社会保険 指揮命令 労働時間の自由度
    正社員 期間の定めなし 加入必須 会社から受ける 低い
    契約社員 期間の定めあり 条件により加入 会社から受ける 低い
    パート・アルバイト 期間の定めあり/なし 条件により加入 会社から受ける やや高い
    派遣社員 派遣契約による 派遣会社で加入 派遣先から受ける 低い
    請負・業務委託 契約による 適用外(自己負担) なし 高い

    派遣と請負の違いとは?特徴とメリットデメリットを比較

    派遣と請負は混同されやすい働き方ですが、「指揮命令関係」「労働者保護」「契約形態」の点で大きく異なります。
    どちらを選ぶべきか迷っている人は、それぞれの特徴を理解した上で判断しましょう。

    派遣と請負の比較ポイント
    • 派遣社員の仕組みと特徴
    • 請負・業務委託の仕組みと特徴
    • 派遣と請負のメリット・デメリット比較

    派遣社員の仕組みと特徴

    派遣社員は派遣会社の社員として雇用され、派遣先の指揮命令を受けて働きます。
    雇用主は派遣会社であり、労働者保護の対象です。

    派遣は「派遣元(雇用主)」「派遣先(就業先)」「労働者」の三者関係で成り立ちます。
    指揮命令は派遣先が行いますが、雇用責任は派遣元にあります。

    社会保険、有給休暇、労災保険などの労働者保護が適用される点が大きな特徴です。
    派遣会社が間に入るため、職場でのトラブルがあった場合も派遣会社に相談できるというメリットがあります。

    請負・業務委託の仕組みと特徴

    請負・業務委託は発注者から独立して業務を遂行し、成果に対して報酬を得ます。
    自由度が高い反面、偽装請負のリスクや労働者保護がない点に注意が必要です。

    請負は業務の遂行方法や労働時間の管理を自ら行う必要があります。
    発注者から細かい指示を受けて働く場合は「偽装請負」となり違法です。

    また、労働基準法や社会保険の適用がなく、確定申告が必要になります。
    仕事がなくなれば収入がゼロになるリスクもあるため、安定性を重視する人には向かない働き方といえます。

    偽装請負とは

    • 実態が労働者派遣であるにもかかわらず請負契約を偽装すること
    • 発注者が労働者に直接指揮命令を行う場合は偽装請負に該当
    • 労働者派遣法違反となり、発注者・請負会社ともに罰則の対象

    派遣と請負のメリット・デメリット比較

    派遣は労働者保護があり収入が安定するが自由度は低い。
    請負は自由度が高く高収入の可能性があるが、保障がなく自己責任の範囲が広いという違いがあります。

    ■派遣と請負の比較

    項目 派遣社員 請負・業務委託
    指揮命令 派遣先から受ける なし(自己管理)
    社会保険 あり(派遣会社で加入) なし(自己負担)
    有給休暇 あり なし
    労災保険 適用 適用外
    収入の安定性 比較的安定 不安定
    働く時間・場所 派遣先の指定 自由
    正社員への道 紹介予定派遣制度あり 直接のルートは少ない

    正社員を目指す場合、派遣には紹介予定派遣という制度があります。
    一定期間派遣として働いた後、直接雇用に切り替わるシステムです。

    一方、請負から直接正社員になるルートは少ないため、将来的なキャリアプランを考慮して選択しましょう。

    就労形態(雇用形態)の書き方|履歴書・ハローワークでの記入方法

    履歴書やハローワークで雇用形態をどのように記入すればよいか、雇用形態別の具体的な書き方を解説します。
    公務員の場合の特殊な呼称についても、ここで確認しておきましょう。

    雇用形態の書き方
    • 履歴書での雇用形態の書き方
    • ハローワークでの雇用形態の書き方
    • 公務員の場合の雇用形態の書き方

    履歴書での雇用形態の書き方

    正社員以外の場合、職歴欄の会社名の後に(契約社員)(派遣社員)(アルバイト)などとかっこ書きで明記しましょう。
    書かないと正社員と誤解されます。

    正社員の場合は「○○株式会社 入社」のみで雇用形態の記載は不要です。
    契約社員・派遣・パートの場合は「○○株式会社 入社(契約社員)」のように記載します。

    派遣の場合は特に注意が必要です。
    「○○株式会社に登録、△△株式会社に派遣社員として就業」と派遣元・派遣先を両方記載します。

    退職時は「契約期間満了のため退職」と記載するのが一般的です。

    履歴書での雇用形態記載例

    • 正社員:「○○株式会社 入社」
    • 契約社員:「○○株式会社 入社(契約社員)」
    • 派遣:「○○派遣会社に登録、△△株式会社に派遣社員として就業」
    • アルバイト:「○○株式会社 入社(アルバイト)」

    雇用形態を書かない・曖昧にすると「経歴詐称」「不誠実」と判断される恐れがあるため、正確に記載しましょう。

    ハローワークでの雇用形態の書き方

    ハローワークの求人票では「正社員」「正社員以外」「パート労働者」「有期雇用派遣」などの区分が使われます。
    なお、雇用形態の読み方は「こようけいたい」です。

    フルタイム求人は「正社員」「正社員以外(契約社員・嘱託など)」に分類され、
    パートタイム求人は「パート労働者」「有期雇用派遣パート」などに分類されます。

    雇用期間の定めの有無も「雇用期間の定めなし」「定めあり(4ヵ月以上)」などで区分されています。
    2024年4月からは労働条件の明示事項が追加され、派遣労働者として雇用することの明示が必要になりました。

    公務員の場合の雇用形態の書き方

    公務員は民間とは異なる呼称を使い、「正規職員」「会計年度任用職員」などと記載します。
    会計年度任用職員は2020年に制度化された非常勤公務員の呼称です。

    公務員は「雇用契約」ではなく「任用」という形式のため、正社員・契約社員という呼称は使いません。
    正規の公務員は「正規職員」、非常勤の公務員は「会計年度任用職員」と記載します。

    会計年度任用職員は2020年度の地方公務員法改正により新たに制度化されました。
    任期は原則4月1日から翌年3月31日の最長1年間で、更新される場合もあります。

    4週4休とは?就労形態に関する労働基準法のルールと対処法

    就労形態に関連する労働基準法のルール、特に休日規定(4週4休)について解説します。
    法定休日の意味、4週4休と4週8休の違い、休日が取れない場合の対処法を理解しておくと安心です。

    労働基準法の休日ルール
    • 4週4休の意味と労基法の定め
    • 4週4休と4週8休の違い
    • 4週4休が取れない場合の対処法

    4週4休の意味と労基法の定め

    4週4休とは、労働基準法35条に定められた変形休日制のこと。
    「毎週1日」の休日の代わりに「4週間で4日以上」の休日を与える制度です。
    月に最大24日まで連続勤務できます。

    労働基準法35条は「毎週少なくとも1日の休日」を原則としつつ、「4週間を通じて4日以上の休日」でも可としています。
    4週4休を採用する場合は、就業規則に起算日を定めなければなりません。

    4週4休制では理論上、連続48日勤務が可能です。
    サービス業や医療・介護業界など、週休制が難しい業種で採用されることが多い制度ですが、
    過重労働のため現実的には12連勤が限界とされ、健康面やコンプライアンスの観点から問題視されています。

    使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない。前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

    引用:労働基準法第35条

    4週4休と4週8休の違い

    4週4休は法定最低限の休日(年間52日程度)、4週8休は週休2日相当(年間104日程度)。
    休日数に大きな差があります。

    4週4休は法定休日の最低ラインであり、4週8休は週休2日に相当します。
    労働基準法32条の「週40時間」を守るには、1日8時間勤務の場合は週5日勤務(週休2日)が必要です。

    4週8休のデメリットは「週休2日」より休日が少なく感じることがある点。
    シフト次第で連勤が発生する可能性もあるため、求人票を確認する際は「年間休日数」も併せてチェックしましょう。

    ■4週4休と4週8休の比較

    項目 4週4休 4週8休
    4週間の休日数 4日 8日
    年間休日数(目安) 約52日 約104日
    法的位置づけ 法定最低限 週休2日相当
    週40時間規制 守れない場合あり 守れる

    4週4休が取れない場合の対処法

    4週4休が取れない場合は労働基準法違反の可能性が高いです。
    まず会社に相談し、改善されなければ労働基準監督署に相談しましょう。
    違反には罰則があります。

    法定休日を与えないことは労働基準法35条違反です。
    違反した場合、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金の罰則があります。

    労働基準監督署は匿名での相談・通報も受け付けています。
    まずは会社の人事部門や上司に相談し、改善が見られない場合は労働基準監督署への相談を検討しましょう。

    4週4休が取れない場合の対処手順

    • まず会社(人事部門・上司)に相談する
    • 改善されない場合は労働基準監督署に相談
    • 労働基準監督署は匿名での相談・通報も可能
    • 証拠(勤務記録、タイムカードなど)を保管しておく

    就労形態に関するよくある質問13選

    就労形態に関してよくある疑問をまとめました。
    雇用形態の選び方や書き方で迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

    当サイトの管理者
    牧江重徳

    社会保険労務士法人 牧江&パートナーズ
    会長 牧江 重徳(まきえ しげのり)

    【資格】
    特定社会保険労務士
    行政書士
    社会福祉士・介護福祉士・ケアマネージャー

    関西大学卒業後、約10年間の会社勤務を経て、昭和52年8月、社会保険労務士として独立しました。
    同年10月には行政書士事務所を併設。平成31年には事務所を法人化しました。

    「常にお客様と共にあり」をモットーとして、多くのお客様からご愛顧を賜り、創業50周年を迎えます。
    現在、職員60人を擁する西日本有数の社会保険労務士法人に成長しました。

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